いま一番サイト開設が待望されております、ありままさんにまたまた頂きました!
恐れ多くも茶で描いた私のイラストにss付けて下さいました。
ありがとうございましたー!!
ではでは、みなさまご堪能下さい!

※大事ないただきものです。お持ち帰りはご遠慮下さい。




「幸せの足音」


柴崎と手塚が付き合うようになって、季節は秋に足をかけた。
風が心地よかったので、柴崎とお昼は図書館の裏庭で、おにぎりを食べようと決めた。
食べ終わって、なんとなく、お互いの背にもたれるようにしながら、郁が柴崎に聞いた。
「ねぇ、柴崎、幸せ?」
こんなこと、面と向かっては言えない。分かっているのか、柴崎もくすりと笑って答えた。
「幸せよ、おにぎりはおいしかったし、風は気持ちいいし」
「そういうことじゃなくてっ」
はぐらかされたと思ったのか、郁の口調が強くなる。柴崎は「何よ、急に・・」と呟いた。
「いや、だから、最近手塚が幸せそうだから、柴崎もそうだといいなと思って・・・」
どこがとは言えないが、最近手塚は雰囲気が変わった。
あえて言うなら、幸せオーラが漏れている。
特殊部隊の先輩たちが「そんなとこまで、上官を見習うなっ」と叫んでいたから、郁と付き合い始めたころの堂上はこんなだったのだろう。
公私混同はしないが、そばにいる分駄々漏れで、そんなに話題を提供してたのかと思うと、いまさらながらに郁の顔は赤くなる。
だから、あの頃の堂上に似ているという手塚は、きっと今幸せなのだ。
いろいろ紆余曲折があって、ここまでたどり着くのに随分時間を費やした。
そうしてやっと手に入れた柴崎も、郁にとっては大事な親友で、手塚と同じように幸せでいて欲しいのだ。
「んー、そうね、幸せ、かな?」「かな?」
なのに、柴崎の返事が疑問形って、どういうことだ。
怪訝に思って聞き返すと、誰もが見惚れる笑顔で柴崎が答えた。
「だって、手塚は幸せそう、なんでしょ。だったらあたしは、幸せかな?」
それは、手塚が幸せならあたしも幸せ、ということを表していた。
ああ、こんなことを素直に言えるように、手塚はしてくれたんだね。
柴崎が、こんなことを言えるくらい、手塚は幸せなんだね。
思わず、柔らかい笑みがこぼれ「手塚は幸せだね」と郁は呟いていた。
「じゃあ、あたしも幸せ」
柴崎と二人、見つめあって笑いあう。
もうすぐ昼休憩が終わる。
二人を捜していたのだろう、幸せの足音が近づいてくる。
「郁」という耳慣れた声の一拍あとに、「・・麻子」というぎこちない声がした。
二人は立ち上がり、幸せに向かって歩き出す。

Fin

幸せの足跡をつけて歩こう。




ありままさんは、ご本、作られないのかなぁ……(ボソリ2)
私がちょっと離席してた間に、さらさら〜と郁と柴崎の会話を書かれていて、私の「頂きたい」コールに
「ちゃんとしたので書き直すよ〜」と!!それを、翌日には頂いてしまったのでした。
ありままさん、ありがとうございました!

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